連休明け、WordPressが5.2にアップデートされました。このアップデートでは多くの機能が追加や更新されたのですがその中でも注目が集まったのが「サイトヘルス」です。WordPress5.1からこの機能はあったようなのですが、5.2からかなり内容も豊富になりまさに「ホームページの健康診断」ができるものとなっています。サイトヘルスは自分のホームページの健康度をパーセンテージで示してくれます。また、改善方法も教えてくれるので何が問題か分かりやすくなっています。
WordPress5.2から機能が拡張された「サイトヘルス」
まずWordPress5.2にアップデートしていない方は5.2にアップデートしましょう。
5.2にすると、
このように、サイトヘルス機能がアップしたことがお知らせされています。
サイトヘルス は
サイトヘルスチェック
このリリースでは5.1で導入したサイトヘルス機能を拡張し、よくある設定上の問題をデバッグする手助けをする新しいページを2つ追加しました。さらに、開発者がサイト管理者のためにデバッグ情報を含められるスペースも追加しています。 サイトステータスを確認し、問題をデバッグする方法を学びましょう。
と、このように機能がアップしたことが書かれています。
WordPressのアップデートをするとこのような表示があって、サイトステータスを確認とか問題をデバッグする方法を学びましょうなどのリンクをクリックしないままで戻ってしまうと「あのリンクはどこのページを差していたんだろう~」と焦るんですが、この2つのリンクは確認したところ、サイトヘルスから見ることができるところだったので気にしなくても大丈夫です。
サイトヘルスを実行してみる
サイトヘルスは、
ダッシュボード ツール>サイトヘルス をクリックするだけで見ることができます。ステータスと情報の2つの表示が行われますがどちらのページでも「サイトの健康度をパーセンテージ」で示してくれるので分かりやすいです。
サイトヘルスで表示されるサイトの健康度
サイトヘルスで表示されるサイトの健康度は
こんな感じで表示されます。100%中の75%ということでした。何かをすれば25%が改善できるのかどうかのヒントもサイトヘルスで示してくれます。
サイトヘルス:ステータスではサイトの「致命的な問題」と「おすすめの改善」で示してくれる
ツール>サイトヘルス をクリックしたとき、あるいはサイトヘルスで、ステータスをクリックしたときにこのステータスが表示されます。
このように表示されています。
「致命的な問題」が出たときの対処の一例
0件の致命的な問題と表示されていたのですが、スクリーンショットを撮るときまでには消えてしまいました。
ということで致命的な問題はこのサイトではありませんでした。
参考のために、他のサイトで致命的な問題が出たときの状態について書いてみます。
バックグラウンド更新が想定通りに動作していませんという表示が出ていました。この表示をクリックすると、
バックグラウンド更新は使用中の WordPress のバージョンにセキュリティ更新がリリースされた際、自動更新できることを保証しています。という説明の後に、×と✔の箇条書きがありました。
問題なのは×が付いている箇所のようです。
AUTOMATIC_UPDATER_DISABLED 定数は定義され有効化されています。
が問題だということのようです。定数を定義しているとするとWordPressのルート直下にあるwp-config.phpだと思われます。
FTPでwp-config.phpをダウンロードして中身を見ると、
/** * Turn off automatic updates since these are managed upstream. */ define('AUTOMATIC_UPDATER_DISABLED', true);
というような部分が見つかりました。いつ、なんのためにこのコードを入れたのか、コメントが英語なところを見ると自分で入れたのではなくどこかのサイトを参考にいれたのかな?と思いますが、セキュリティアップデートが自動的にかかって困ることはないので、この行を削除して、保存しFTPでアップロードしました。
その結果、致命的な問題が表示されなくなり、サイトヘルスのパーセンテージも上がりました。
「おすすめの改善」を見て対応できる部分を対応する
「おすすめの改善」に表示されている項目を見てみます。
こんな感じで改善事項が表示されています。多くのサイトで表示されるだろうなと思われるのは、
停止中のプラグインを削除してくださいと停止中のテーマを削除してくださいとPHPバージョンを更新すべきですです。
おすすめの改善:停止中のプラグインを削除して下さい
停止中のプラグインを削除してくださいをクリックすると、
プラグインは連絡フォームや e コマース機能などを追加してサイトを拡張します。サイトに深くアクセスするため、最新に保つことが重要です。
4個のプラグインがアップデートを待っています。
このサイトには3個の無効なプラグインがあります。 停止中のプラグインは攻撃者の標的になります。プラグインを使用するつもりがなければ削除することをおすすめします。
ここの改善を実行するには使用していないプラグインを削除するを行います。
プラグインをクリックして、
停止中をクリック
この場合、複数の停止中プラグインがあったので一括で操作するため、このチェックボックスをクリックして
一括操作から削除を選択し、
適用をクリックします。
ポップアップが表示されるのでOKをクリック
このように表示され、停止中のプラグインがなくなりました。
もう一度サイトヘルス:ステータスを見ると、
おっと!、なぜか先ほどはなかった致命的な問題が表示されてパーセンテージも72%と低くなってしまいました(^_^;)。
でも表示された内容を見ると、更新可能なプラグインがありますということなので、プラグインを更新すればこの問題はなくなるかと思いました。
プラグインをクリックして、利用可能な更新をクリックし、先ほどと同じように一括で行うために洗濯をした後に、
一括操作から更新を選択して適用をクリックすれば
順番に更新が行われます。複数あると時間がかかることもありますので、更新が終わるまでじっと待ちます。
これで、
もう一度サイトヘルス:ステータスを見ると、サイトヘルス度が81%と改善されたことがわかります。
おすすめの改善:停止中のテーマを削除して下さい
停止中のテーマを削除してくださいを対応します。
この場合はまず、この行をクリックして内容を確認して下さい。停止中のテーマでもWordPressデフォルトテーマは削除してはいけないようです。また、使っているのが子テーマだった場合は、
このように表示されます。使っているのが子テーマだった場合は、親テーマも削除しないようにします。
停止中のテーマを削除するのは少し面倒なのですが、
ダッシュボード 外観>テーマをクリック
削除するテーマのテーマの詳細をクリック
ポップアップされた画面の右下にある削除をクリック
ポップアップのOKをクリック、コレで削除できます。削除すべきテーマのすべてにこの操作を行います。
そして、
もう一度サイトヘルス:ステータスを見ると予想したとおり致命的な問題として更新可能なテーマがありますと表示されています。
先ほどと同じようにテーマを更新すれば良いので、
アドミンバーの上部にある数字をクリック(先ほどのプラグインの一括更新もこちらからもできましたね!)
すべてを選択にチェックを入れてテーマを更新をクリック
この状態でもう一度サイトヘルス:ステータスを見ると
87%とかなりサイトヘルス度が上がりました。
おすすめの改善:PHPバージョンを更新すべきです
このPHPバージョンを更新すべきですについては、改善はしきれませんでした。
まずは内容をチェックします。
クリックすると表示されます。
WordPressサイトを見ると現在の推奨バージョンは 7.3 ですとあります。
まずは自分のサイトのPHPのバージョンを確かめてみます。PHPのバージョンを確認するには、サイトヘルスの
情報をクリックします。
サーバーという行をクリックするとこのように、PHPバージョンが表示されバージョンが7.2.17だということがわかりました。
PHPのバージョンは利用しているサーバーによって決まってきます。
この状況はMixHostとエックスサーバーのどちらでも起こりました。
私が借りているサーバーだけでしか内容は確認できませんが、PHPのバージョンはどちらも7.2.xが最新でしたので、このPHPの改善については実行できないということがわかりました。
もちろん調査をしてPHPのバージョンが古く、借りているサーバーでももっと上のPHPが提供されているようでしたら、上のバージョンにするということはした方がいいと思います。しかし、その場合も使っているテーマやプラグインなどのPHPが新しいバージョンに対応しているのかどうかを調査してからにするべきです。これについては
というプラグインが役立ちそうです。まだ試してはいないので試してブログに書けそうでしたら書いてみたいと思います。
おすすめの改善:その他
その他と書きましたが、これはかなり色々な改善が表示されると思われます。このサイトのように、サイトで HTTPS を使用していませんと表示されるのであれば、サイトのSSL化をまだしていないということになります。
例えばこのサイトのSSLについても、サーバーによってどのような方法が可能かも違いますので一概にこちらで書けるような内容でもありません。ということで様々な改善が提案されると思いますが、とりあえずクリックすれば改善方法についてのアドバイスが表示されるのでそれを読むとヒントになると思います。
その他の中で、一つだけ理由がわかってやはりこれも対処できないとわかったものがありました。
1つ以上の推奨モジュールが存在しませんです。内容を確認すると、このサーバーではimagickというモジュールが入っていないようです。モジュールといってもサーバーで設定するもののようでした。
そこで、サーバーのお問い合わせからこの件について問い合わせたところ、
せっかくお問い合わせいただいたところ大変申し訳ございませんが、
弊社が提供しているサーバーにつきましては「imagemagick」をPHPで
ご利用いただけません。そのため、PHP拡張モジュールとしてのimagickもご利用いただけない
ことをご了承くださいますようお願いいたします。
というお返事をいただきました。サーバーの状況についてはユーザーではどうしようもないのでこの改善点については改善できないのだなということがわかりました。
サイトヘルスの「情報」について
先ほどPHPのバージョンを調べるときに既に見ていますが、サイトヘルスの情報にはさまざまな情報が表示されます。
サイトヘルス情報
このページでは WordPress ウェブサイトの構成に関するすべての詳細が表示されています。何か改良すべき点が見つかれば、サイトヘルスステータスページで通知します。
この情報を元にステータスで改善点を指摘するということになっているようです。
一般的なユーザーさんにとって、何かわからないことがあって詳しい人や専門家に聞くときに「WordPress、PHP、mysqlのバージョンは?」とか聞かれてもどこをどう探せばいいか途方に暮れてしまうこともあるかと思います。
そんなときにこの情報を見ればそれらについて見ることができます。それだけでなく、このページにある
サイト情報をクリップボードにコピーというボタンをクリックすれば、これらの情報をコピーしてくれるので後はメールなどでこの情報をお知らせすれば、専門家の方などに正確な情報を知らせることができます。
まとめ:サイトヘルスはサイトの健康状態を数値化してくれる優れたツール
このサイトヘルスについて、主催しているWordPressミートアップでお伝えしたところ、多くの人が「サイトヘルスが面白かった!」と感想を述べられていました。ということで早速記事にしてみたのですが、思ったより沢山の情報があって書くのがとても長くなってしまいました(^_^;)。
どなたにも見ることができる自分のホームページの健康状態、というのはとても良い機能だなと思いますので是非皆さんも一度見てみることをお勧めします。
またサーバーや色々な環境によって「できる/できない」ということは出てくるので致命的な問題がなければ、100%でなくてもいい、という気持ちでこのサイトチェックは利用されるといいと思います。
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